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胃がん
若年層で減り、高齢者層で増えている
胃がんは長い間、罹患率でも死亡率でも、日本人のがん
の第1位でした。1998年(平成10)に、死亡率では肺がん
に第1位をゆずりましたが、 日本人が一番多くかかるが
んであることに変わりはありません。
食事や生活習慣の変化によって若年層の胃がんは減って
いますが、 高齢者層で増えているため、全体としては、
罹患数も死亡者数も横ばい状態です。
男女の罹患率は、30代まではほぼ同じですが、 年齢が高
くなるにしたがって男性で増え、60代〜70代前半では男性
の胃がんは女性の約3倍を超えます。
胃がんの死亡率が減ってきたのは、 がん検診で早期に
発見される例が多くなったためと、治癒率が高くなったた
めです。胃がん患者の約半数は検診で見つかっています
し、 早期がんは、粘膜がんならほぼ 100%、粘膜下層が
んでも90%以上は治っています。進行がんでも筋層がん
なら5年生存率が80%以上に達しています。
イラスト
●胃がんの深達度
胃がんの深達度
  食塩のとり過ぎや喫煙が関与している
  胃がんの主な原因は、胃粘膜の老化と食生活です。
  日本人は、世界的に見ても胃がんが多いのですが、
  その理由には、塩分のとり過ぎ、喫煙、胃粘膜が弱
  いことなどがあげられます。
  胃がんは、粘膜に発生し、時間とともに進行してい
  きます。 このうち粘膜下層までのものを早期胃がん、
  筋層より深くなったものを進行胃がんと呼びます。
  早期がんは、 大きくは図に示すように三つの型(隆
  起型、表面型、陥没型)に分けられますが、一番多
  いのは、表面型のうちの表面陥没型です。
  できるところは、胃下部と中部がほぼ同じでそれぞ
  れ約4割、上部が2割弱となっています。
●早期胃がんのタイプ
早期胃がんのタイプ
スキルス胃がん
がん細胞が粘膜面にがん性潰瘍をつくる前に、粘膜下層で繊維化して厚くなり、急速に広がるがんです。このため、早期発見が難しく、 生体検査でも結果が陰性になることが少なくないのです。発見されたときには手遅れというケースが多く、胃がんの中では一番悪性です。
現在の胃がんの治療法
わが国の胃がんの診断・治療は、世界的にもかなりハイレベルにあります。
第一の選択は外科手術です。がんの再発を防ぐために健康な部分を残して 胃の約3分の2を取る部分切除と、胃全体を取ってしまう全摘出手術とがありますが、なるべく全摘出は避けるようになっています。
抗がん剤(化学療法)は、かつては胃がんにはあまり効かなかったのですが、最近はよく効く薬ができたため、進行がんも、 化学療法でがん細胞を小さくしてから手術をする方法がとられるようになりました。
早期胃がんの10〜15%は、内視鏡を使った手術が積極的に行われるようになっています。これは、内視鏡に、注射器やスネア(ワイヤー)、 鉗子、電気メスなどを装着して、ポリープを切除・回収したり、あるいは粘膜を切除したりする方法です。
さらに、レーザー装置に接続した内視鏡の管を胃の中に入れてレーザー(YAGレーザーやPDT)を照射する、レーザー療法も行われます。
また、腹部に数個の穴を開けてそこから腹腔鏡を入れ、口からは内視鏡を入れて、 両方で監視しながらがんを切除する腹腔鏡下胃内切除手も行われています。
腹腔鏡下胃内手術
    ●胃がんの年齢階級別死亡率
胃がんの年齢階級別死亡率
                                               ●資料 厚生労働省「人口動態統計」2006年●
    ●胃がんの死亡者数・死亡率の年次推移
胃がんの死亡者数・死亡率の年次推移 イラスト
●資料 厚生労働省「人口動態統計」●
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